釜ノ沢 西俣左沢       平成19年11月3日〜4日

1日目 駐車場6;40〜山ノ神8;45〜両門の滝13;15〜14:00テン場
2日目 テン場7;30〜大滝下9;00〜登山道12:15〜甲武信小屋14:20〜17:25駐車場


吊橋から見た、東沢の紅葉

車から起き出すと、道の駅「みとみ」の朝は寒かった、このところ暖かいのに慣れてしまった体にはつらいものだった。本日の参加者は高城ご夫妻、平野さん、松井さん、永沢さん、吉野さんと私の7人です。吉野さんにはもう一年以上お会いしていません。このグループで7人は一番多いのではないかと思う。11月、沢の泊まり山行もお仕舞の時期になる。連休を使って、焚き火を主目的のお気軽山行はいかがですかと、お声をかけたところ、うまい具合に大勢に参加してもらった。西沢渓谷の駐車場に移動して、共同装備を分配、昨日採ったムキタケも忘れずに持って、出発した。丁度、雄鶏の鶏冠ように赤くなった鶏冠尾根がとてもきれいでこの先の紅葉が楽しみです。早朝ということもあって、観光客より登山客が多い。吊橋の上にはカメラマンが何人か鶏冠を撮影していた。


東のナメ沢
むき出しになった岩肌
東沢に下りるところでムキタケを見つけて、荷物が増えてしまった。沢に下りると先ず、新しい倒木が目に付いた。近頃の台風で押し流されたようで無残なものです。鶏冠谷出会で鶏冠山に登るという中高年4人組と合ったがデイバック一つの軽装は心配だ、我々が重装備過ぎるのかな?左岸の踏み跡をたどって、ホラ貝のゴルジェの降りた。手前の清兵衛沢もほら貝沢も沢筋が崩壊して土砂が流がされため、岩肌が露出して様相が一変していた。ゴルジェ入り口で休憩中の東大ワンゲルのグループと挨拶を交わした。山の神まで踏み跡を使って行く。ここから沢歩きになって、乙女の沢スラブ滝を左に眺める、実にきれいな紅葉だ。右に屏風岩のを眺めながら回りこむと、東のナメ沢に出会う。ここも手前の岩肌の潅木と土砂が流失して白い岩肌がむき出しになっている。皮膚が切り取られたような痛々しい思いがする。金山沢出会に着く、金山沢のほうが開けていて水量も多い感じだ。


千畳のナメ
釜ノ沢に入り、魚止めの滝下で大休止をする。この滝には以前は倒木が立てかけてあったがなくなっている。丁度、焚き火の残り木が落ちていたのでこれを足場に腕力で強引に登った。滝上は千畳のナメの舗装道路が待っている。お決まりの写真を撮る。20分も歩くと、7m曲り滝になって、左から巻くとマヨイ沢に来たときテン場に使った見覚えのある場所に到着した。今日はもう少し先まで行く、両門の滝に着くと先行の東大生グループがザイルを出して東俣の滝を登っているところだった。ここで写真屋さんにお願いして全員集合写真のシャッターを押してもらった。ここまで、カメラマンを何人か見かけた。


両門の滝
西俣の滝は左の小尾根に取り付いて斜上するようにして簡単に超えると、薄暗いゴルジェなってしまった。ゴルジェの滝を右から巻くがトラバースの踏み跡は泥付きで怪しく、1〜2人は何とか通過できるが7人となると、踏み抜く危険もあるので固定ロープで通過した。沢に下りると、浅いV字のスラブが続く、逆層でいやらしいく、落ち葉やコケを気にしながら歩いた。1700m付近の左岸にすばらしいテン場を見つけ、松井さんの担いできたビールで乾杯の後、テントを張った。西俣は入る人が少ないのか薪木は近場に豊富に転がっている。今回の目的である焚き火を開始する。松井さんの奥さん手製のチャンチャン焼き、昨日採ったキノコ汁で宴会を開催した。今年の焚き火もこれが最後になるのだろうと盛大に燃やした。


残り火を囲んで、出発の準備
翌朝、体が寒さに慣れたのか、心配したほど寒くなく安心した。昨夜の残り火で焚き火をしながら各自朝食を済ませて、テン場を発った。倒木の邪魔する河原をうんざりしながら歩くと、左に1760m地点の大きな枝沢が入った。引き続き河原を行き、1830mの枝沢が左に合うと、ナメの小滝が出てきて気分を良い処となってきた。すぐに1880mの二俣に着き、休憩をしようと思うが日陰で寒いのでもう少し進むことにした。右沢にはナメ5m滝が架かり行きたくなる気持ちになるが、今回は左沢に入る。日向を探して5分も歩くと大滝が見えてきて、滝下で日向ぼっこをしながら休憩をした。


西俣左沢の大滝、落石注意だった
大滝下で、休憩しながらルートを見ると傾斜はあるものの階段状で問題ないと見えたが取り付いてみると、岩のほとんど浮石で落石に注意して慎重に登らないと事故になりそうな巻きでした。7人が一人づつ終了を待って登ったので、思いのほか時間を費やしてしまった。快適なナメが出てきてホットするが、まもなくそれも消えてゴーロになり、やがて水が消えると倒木が目立ってきた。大きな荷物を背負って倒木潜りや、倒木跨ぎはいつも癒鬱になるのですが私だけでしょうか?沢形が消えてコメツガの樹林を10分も行くと登山道に出た。奥秩父の樹林はいつ見てもいい、特に沢から苦労して詰め上げたときはなお更だ。登山道で靴の履き替えと昼食休憩をしたが通る人もなく静かな登山道でした。


下山も終わり間近
疲れた足には過酷なアップダウンを繰り返して、ミズシを超えて甲武信岳に上り詰めた。展望をしながら休憩ももそこそこに直ぐに小屋に下り、テラスで休憩をさせてもらった。小屋の前の窪地には雪が残っていました今季の初雪でした。十文字峠から団体さんが来て小屋泊まりのようで賑やかになった。小屋を後に木賊山を巻いて、破風山との分岐点で松井さんが間違えて一人左に進んだ、みんなに呼び止められ不思議な顔で戻ってきた。何を隠そう、私も以前、間違えて行きかけたことがありました。戸渡り尾根分岐までの登りが意外ときつく、木賊山に登ったほうが良いようにも感じてしまう。歩きなれた徳ちゃん新道を下るが暗くなる前に下りたいと思い、休憩も少なくして、小屋から3時間、駐車場に着いたときは暗くなっていた。我々の車だけが止まっていた。初冬の日暮れは思いのほか早く、お気軽山行の予定が意外とハードな山行になってしまったが目的の焚き火ができ良かった。右沢にも行きたいと思う。